メルカリがブルセラ出品を禁止した理由とその対策について紹介

2013年にメルカリのサービスが開始され、徐々に利用者数が増え現在では多くの方が利用するサービスにまで成長しました。

その一方でブルセラ出品がメルカリ内で堂々と行われていたことがありました。
現在ではブルセラ出品が禁止されるに至りましたが、なぜ禁止したのでしょうか?
またブルセラ出品を防ぐためのメルカリの対策についても紹介してきます。

そもそもブルセラとは何?

ブルセラとは簡単に説明すると、「ブルマ」と「セーラー服」という単語からなる造語(混成語)なのです。

ブルマは主に小学校から高校まで運動会などで使用する女子の体操着の1つに該当し、セーラー服は一部の中学校・高校で使用される制服に該当します。
ブルセラの語源については諸説ありますが、1990年代にグラビアアイドルの撮影でこれらのアイテムが使用され、使用済みのモノが裏ルートなどで販売される『ブルセラショップ』がその語源として有力視されています。

またブルセラは一種の社会現象を引き起こし、現在でもコスプレなどに使用するアイテムとして需要があるほどです。

メルカリはブルセラショップなのか

引用元:http://komyu-plaza.com/bulma-sailor-suit/

現在ではあまり見かけることがありませんが、詳細は後述にて記載しております。
かつてメルカリでは(特に初期のころ)ブルセラ商品を取り扱っていました。
メルカリでブルセラは衣類の大カテゴリーで『レディース』に属します。
小カテゴリーでトップスやパンツなどに分かれることになのです。
どんなモノが出品されているのか、少し取り上げてみました。

学校の制服

上記で少し擦れましたが、セーラー服は学校の制服に含まれます。
セーラー服以外では女子が一度でも着たことがあるブレザーも同じ類です。
また制服セットでネクタイやリボン、スカートなどと合わせて出品されていたことがあったそうです。
中にはお嬢様女子高の制服が高値で出品されていたことがあるほど…。

ブルマやスクール水着などの体操着

女子が体育の授業や運動会などで使用したブルマやスクール水着などの体操着です。
ブルマを使用しない学校では短パンという形でも出品されていたケースがあります。

使用済み感丸出しの下着類

意外なのが盗まれたモノではなく、女子が一度でも使用したブラジャーや下着をブルセラ商品として出品されていたことです。
あまり詳しく言えませんが、女子が使用したとされる『証』付きで。

メルカリの登場により増加したブルセラ出品する理由について

スマートフォンが普及するにつれ、手軽に取引できるアプリのサービスを手掛けたのがメルカリです。
なぜブルセラ関連のモノを出品するに至ったのか主な理由を3つに絞って紹介していきます。

単に興味本位による出品

値段設定は度外視して、本当にブルセラが売れるのか検証する目的で出品するケースです。

例えば、某有名な女子高の制服をスカートと合わせて5万円の値段をつけて売れるかどうか試したとします。
もちろん商品状態は一度着ているので『目立った傷や汚れなし』か『やや傷や汚れあり(場合によっては傷や汚れあり)』のいずれかを選択して申告することに。
一般的にサイズが合わないような制服やその高校に行くわけがない女子が買うはずありませんが、このケースの場合だとブルセラ買い取りブログや某掲示板などの情報を参照すると少なくとも1件の入札があるでしょう。
1週間くらい経って売れなければそれまでですが、興味本位や実験という形で出品するケースがあるわけです。

廃棄するよりも必要な方に使ってもらいたいため

この場合はどちらかというと、制服よりもブルマなどの商品を活用してもらいたい意図があるでしょう。
悪意というよりは善意の気持ちがうかがえます。

商品説明に「クリーニング済み」で本当に数回しか使ったことがないのなら『未使用に近い』を選んで購入しやすいように工夫するでしょう。
使用済みブルマ1着1,000円とか送料のことを考えて1,500円とかで出品すると、ほぼ買い手がつきます。(現在はほぼ取引が成立しない)
ただ、相手が本当に使ってほしい女性なのか女性と偽った『男性』なのかはニックネームだったら本当に判別できません。

オヤジ層を購買ターゲットにしてお小遣いを稼ぎたいから

こちらはどちらかといえば欲と悪意に満ち溢れていると言えるでしょう。
つまり自分たちが使用したモノを倫理観、いや背徳感という概念がなく単純にお金が欲しいから行っているに過ぎません。

しかも手口が巧妙で、メルカリ内にあるメッセージでやり取りするわけではなく、外部のSNSを使って隠語でやり取りを行い、購入するように仕向けているのです。
特に若い子の使用済みのモノを欲しがるオヤジ層にウケます。
オヤジの趣味・コレクションのためといいますか…。
オヤジ層におけるこの購買意欲を逆手にとってJKやJDなどはお小遣い稼ぎをするわけです。

ブルセラ関連商品の出品禁止へ動き出したメルカリの対策について紹介

メルカリサービス開始当初は出品に関する規制はあまり設けていなかったメルカリも利用規約改訂を行いながら、ついにブルセラ関連商品の出品禁止に乗り出しました。
メルカリではどんな対策を施しているのか3つ取り上げてご紹介いたします。

『メルカリパトロール』と呼ばれるスタッフの増強

メルカリはメルカリパトロールという利用規約に反する商品の出品がなされているかどうかを確認するためのスタッフを増員して対応しています。

ブルセラの場合、使用済みのブルマが1着1,000円で出品されていることを現認したら即削除するわけです。
出品者には事務局から何らかの通知が届きます。
一例ですが「利用規約に抵触する出品物が確認されたので出品を削除しました」という趣旨のメッセージなどが届くはずです。
これらの利用規約違反の出品があるかどうか人海戦術で確認しております。

本人確認の実施と出品者の割り出し

メルカリは本人確認の実施をすることによって、利用規約に違反するような出品の抑制につなげようと努力しています。

現在では本人確認ができなければ出品できない仕組みに変わっていますので。
仮に、ブルセラ商品を出品していた人物がいたとして、その人物は事務局によって把握されることとなります。

利用規約にたびたび違反するとメルカリの短期間利用停止(3時間~1週間程度)に追い込まれてしまうのです。
最悪の場合、売上金が残ったまま強制退会もあり得ます。
あくまで想像の域ですが、メルカリでは要注意人物をまとめたブラックリストがあると言われているのです。

『ブルセラ認定』商品の拡大

ブルセラ商品について当初はセーラー服やブルマなどをピンポイントで出品禁止としていましたが、やがて『抜け穴』が指摘され保育園で使用された体操着(女児のブルマとか)や一度でも使用されたスポーツブラ、ひいては水着まで禁止の対象となったのです。

また最近ではメルカリパトロールを助ける形でAI技術を導入して、ブルセラ認定を広げ、出品禁止となるものが増加傾向にあります。

メルカリの対策強化に効果はある?ブルセラ禁止の本当の理由って?

メルカリはブルセラ商品の他に、いくつかのジャンルのモノについて利用規約を改訂しながら禁止としてきました。
例えば現金取引(10万円を11万円で出品など)とか。

それ以前にメルカリはたびたびニュースのエンタメコーナーや特集などで紹介され知名度が向上した半面、法の抜け穴と言われても仕方ないほどモノの取引を容認し、ニュースで取り上げられ特定の商品に対する取引が問題化したら、特定商品の出品を禁止する措置を講じてきました。

それはブルセラも同じです。
特定商品の締め付けがより厳しくなったのはメルカリが2018年の6月19日に東証マザーズに上場したことが大きなきっかけとなっています。
東証に上場することはメルカリが一流企業への階段を上るための手段であり、法律で禁止されているような取引を無視するわけにはいかなくなったのです。

ブルセラ出品を放置したままにしておくと児童ポルノ禁止法や各都道府県の青少年保護育成条例などに抵触し、メルカリのサービス低下につながります。
上場した以上は企業のイメージダウンにつながると株価が落ちてしまえば企業価値が下がり、業績が低迷してしまうことも背景に挙げられます。
ひいては警察の捜査が入り、協力しないとサービス停止に追い込まれる可能性すらあるのです。
このため、メルカリは利用手数料を取るよりも、こうした取り組みを行い、クリーンな取引ができる環境を整備して対策を強化していることをアピールしています。
少なくとも本人確認の実施を始めてからは違法な出品物の増加は一定数抑えられたそうです。

まとめ

ここまでメルカリとブルセラの関係について紹介してきましたが、現在メルカリ上でブルセラ商品を恣意的にでも出品しようとするモノなら『通報制度(他の出品者や閲覧者などが事務局へ利用規約違反の可能性を連絡)』とメルカリパトロールなどによって見つけられ、最短では1時間もしないうちに出品が削除されてしまうことでしょう。

メルカリは健全な取引・運営をアピールしてサービスを利用してもらいたいことから利用規約違反のモノについてとても厳しい措置を取っているわけです。